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ディソナントアンサンブル6・7月練習レポート [弦楽合奏団ディソナント・アンサンブル]

(1)6月26日(水)10時~12時。小金井みどりセンター。A氏、K氏、H氏、ケリー・ジョーソン参加。モーツァルト弦楽四重奏曲kv.156全曲(1時間半)。.kv.465第1楽章提示部(30分)。

(2)7月5日(金)10時~14時30分。東村山富士見公民館。M氏、S氏、F氏、ケリー・ジョーソン参加。パイプいすから床を保護するためにバスタオルなどを持参。
①初見大会(1時間)。J・S・バッハ「サラバンド」~フランス組曲第1番、「ガヴォット」~無伴奏チェロ組曲第3番。モーツァルト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」、シューベルト「楽興の時第3番」、「セレナード」~白鳥の歌。モーツァルト弦楽四重奏曲kv..159変ロ長調全曲。②(2時間半)「ディソナント」全曲。ラヴェル「逝ける王女のためのパヴァ―ヌ」会場日3300円。昼食休憩約1時間をとった。

モーツァルトのハ長調~ディソナント・リンツを弾く(1) [MOZART]

 モーツァルトのハ長調は、明るく喜ばしい調なのだが、それは人間的というより超越的・天国的である。

 「リンツ」交響曲を半年かけて本番まで持っていく練習はスタートしたばかりだ。しかし、その3小節目のト短調→変ロ長調への転調で、打ちのめされてしまう。ここは♭の音程をとるのが難しい。8小節目から急に音楽の表情に陰りが出て、主旋律がファゴットに移る。このオーケストレーションの上手さにまた打ちのめされる。そして、10小節。私は間違えてGisの音を弾いてしまった。オーボエを聴いているとそれがコンソナントに聴こえたかららしい。指揮の先生に「聞いて弾いているのね。耳がよすぎる」といわれてしまった。ここは半音で音がぶつかる不協和音の部分。いきなりこういう音が出てくる。

 
 「リンツ」交響曲はモーツァルトが立ち寄ったリンツのトゥン伯の主宰で演奏会を開くことになったが、交響曲の譜面をもち合わせていなかった。そこでモーツァルトが4日間で一気呵成に書き上げてしまったとされている。それまでの祝典的な機会に彩りを添える定型的な交響曲の面影は全くなく、序奏がついた第1楽章、パストラルの音楽でありながら、トランペットやティンパニを雄弁に使い、暗い情緒にも傾斜する第2楽章。対位法の宝庫であるフィナーレなど才気があふれんばかりの名曲である。創作の意欲にあふれていてそれが一気に、ストレートにほとばしり出る。率直で生き生きした曲である。


 少年時代から私はこの曲が大好きで、学生時代には上野の東京文化会館音楽資料室に通って、ブルーノ・ワルターがこの曲をリハーサルしたLP「演奏の誕生」(CBSコロンビア!盤)をむさぼり聴いたものだった。ワルターの確信を持ったイメージと繰り返される「sing out!」。なめらかなリズム。今の演奏からみると多分にロマンティックである。ワルターがこの曲の不協和音に奏者たちをどう立ち向かわせたかは記憶がないので、いつかきっと上野に行って確かめてみたい。
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 KV.465の「不協和音」四重奏曲もハ長調である。序奏が型破りで解決しない和音が続くから「不協和音」と呼ばれることは周知のとおりだ。しかし、この曲なんという音楽だろう。半音階的な動きが全曲を覆い、不協和音の効果が幾通りも表れている。それはステーキにおけるペッパーの役割を遠く超えることも多い。

 
明るく晴朗と荒っぽく把握されがちの終楽章。第2テーマ後半、提示部ではト長調から26小節かけて半音階をはらむ音を連続させて、第2テーマ後半では変ホ長調に転調する。ここでも天気が急変して雲間から太陽が出た感じになる。さらに変ロ長調に曲を進め安定した上昇音階を第1ヴァイオリンに弾かせる。提示部の最後はドミナントのと行調で確保されるのだが、変ロ長調からト長調に至る転調句がアグレッシブでさえある。

 これが、私の愛聴盤クヮルテット・イタリアーノで聴くとあっという間に過ぎ去っていく。しかし、細心の注意とダイナミック感覚、テンポ感覚をもって。ペグレッフィの第2ヴァイオリンもファルッリのヴィオラも唖然とするくらい音が透明で、上手い。ロッシの美音チェロの歌心にもうっとりさせられる。ボルチアーニの名が現在でも室内楽コンクールの名に残って顕彰されているのも室内楽をやる人ならみんな知っているだろう。


 天才の多様性には天才の演奏家が対峙するのでないと、感動に達せない・・・とは考えまい。この二つの曲と当分じっくり向き合って弾いたり、読みを深めたりできる喜びを素直に味わった方がいい。和声的な分析を十分しつつ理解を深めたい。モーツァルトの音の置き方は尋常ではないからである。

 


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